活躍する同窓生

活躍する同窓生は、徳島大学同窓会連合会(びざん会)のニュースレターで紹介され方々です。

奥 恒行 おく つねゆき(1期)

 医学部栄養学科 昭和433月卒業  

 十文字学園女子大学、人間生活学部、客員教授

 長崎県立大学名誉教授

 

 昭和433月 徳島大学医学部栄養学科卒業

 昭和453月 東京大学大学院医学研究科保健学専攻博士前期課程修了

 昭和483月 東京大学大学院医学研究科保健学専攻博士後期課程修了(保健学博士)

 

 昭和484月 東京大学医学部 助手

昭和534月 東京大学医学部 講師

平成114月 県立長崎シーボルト大学看護栄養学部 教授

平成204月 長崎県立大学看護栄養学部 教授

平成254月 十文字学園女子大学人間生活学部 客員教授

 

(受賞)

昭和46年 日本栄養・食糧学会 奨励賞

昭和46年 日本栄養・食糧学会 功労賞

昭和63年 日本栄養改善学会 学会賞

       平成19年 日本栄養・食糧学会 学会賞

 

奥氏(1期生)は、難消化性多糖類/食物繊維などルミナコイド類研究の第一人者で、栄養学分野の二大学会である日本栄養・食糧学会の学術大会会頭(第63/平成21年)と日本栄養改善学会学術総会会長(第54/平成19年)の両方を務められました。栄養学の重鎮であってもこの両方の大会長となった記録は奥氏の他にはありません。そして定年の年齢を超えられた今も研究を継続されておられます。今回は学科創設60周年の記念として、60年前に入学した誇れる大先輩に御登場を願うことにしました。

 奥氏は、徳大に入学される前に国立大島商船学校を卒業し外国航路の貨物船の機関士として勤務されていたという珍しい経歴をお持ちです。当時、ソ連が人工衛星を打ち上げて宇宙食などが話題になっていたこともあり、そのような研究もすることを期待して大学進学を志して国立大学で初の栄養学専門の学科が創設された徳島大学医学部栄養学科の第1期生として昭和39年に入学されました。学部卒業後は、東大紛争の真っ只中の東京大学大学院医学研究科保健学専攻の大学院博士前期・後期課程を修了して保健学博士の学位を取得されました。その後、昭和48年に保健栄養学教室(細谷憲政教授)の助手として着任され、昭和53年には講師に昇任されました。その後、平成11年には県立長崎シーボルト大学看護栄養学部栄養学科教授として着任され、平成25年からは現職の十文字学園女子大学の客員教授に就任されています。

 

 在学生や後輩へ向けて『学部学生の時、基礎学力を十分に身に付けていなかったために、大学院へ進学して苦労をしました。勉強を基礎からやり直しました。目的をもって日々学習や部活動に取り組むことが大切のように思います。私は怖がらずにいろいろなことへチャレンジしたのがよかったのではないかと思っていますので、皆さんも失敗を恐れずにいろいろなことにチャレンジしてください。』との応援メッセージをいただきました。

遠藤 弥重太 えんどう やえた(2期)

医学部栄養学科卒業
愛媛大学無細胞生命科学工学研究センターセンター長
愛媛大学理事
専門分野 生物化学・バイオテクノロジー

 

昭和44年 医学部栄養学科卒業
昭和50年 大学院栄養学研究科博士課程修了
昭和50年 医学部栄養学科助手
昭和54年 医学部栄養学科講師
昭和55~57年 シカゴ大学生命科学研究センター研究員
昭和59年 山梨大学医学部助教授
平成 4年 愛媛大学工学部教授
平成12年 愛媛大学ベンチャービジネスラボラトリー施設長
平成15年 愛媛大学無細胞生命科学工学研究センターセンター長
平成18年 愛媛大学理事、理化学研究所主管客員研究員

 

遠藤氏は、毒素を用いたリボソームRNAの機能構造解明など、タンパク質生合成の研究分野で世界を代表する研究者です。近年は、それらの研究成果を 発展させた無細胞タンパク質合成法を独自に開発され、無細胞生命科学という新しい学問領域のパイオニアとしてご活躍されておられます。また、数多くの特許 を取得されタンパク質合成システムを製品化するなど、バイオビジネスの分野においても世界中から注目されています。

田中 啓二 たなか けいじ(5期)

医学部栄養学科 昭和47年卒業
東京都臨床医学総合研究所 所長代行
専門分野 酵素学

 

昭和62年から平成8年まで、徳島大学酵素科学研究センターで助手、助教授として勤務。
その後、現研究所に移り、平成14年より現職。

 

田中氏は、細胞内たんぱく質分解酵素複合体であるプロテアソームの発見者。

プロテアソームは、ユビキチン(たんぱく質分解のマーカー分子)とともにユビキチン・プロテアソーム系を形成して、真核生物の主要な細胞内たんぱく質分解装置として様々な細胞機能に重要な働きをしている。

ユビキチンの機能解明の研究は、2004年度のノーベル賞の受賞対象となった。田中氏もノーベル賞受賞候補者に挙げられている。2010年度の日本学士院賞を受賞した。

中村 丁次 なかむら ていじ (5期)

医学部栄養学科 昭和47年卒業

神奈川県立保健福祉大学教授・保健福祉学部学部長

社団法人 日本栄養士会会長、日本臨床栄養学会理事

日本栄養改善学会理事、日本静脈経腸栄養学会評議員他

 

昭和50年 聖マリアンナ医科大学病院管理栄養士

昭和62年 医学博士授与(東京大学)

平成15年 神奈川県立保健福祉大学教授

平成11年 厚生大臣表彰

平成17年 日本栄養改善学会学会賞

現在 神奈川県立保健福祉大学学長

 

中村氏は、本学栄養学科卒業後、聖マリアンナ医科大学病院において管理栄養士として活躍されてこられました。一貫して臨床現場にあって、多くの患者 様の栄養管理に携わっておられます。また、常に新しい食事療法の研究を重ねてこられ、それらの業績により東京大学医学部より医学博士が授与されています。 現在は、神奈川県立保健福祉大学教授として次世代の管理栄養士の育成に取り組まれています。

また、社団法人日本栄養士会会長として全国の管理栄養士・栄養士のトップとしてもご活躍のほか、「厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会」、「保 険医療専門審査委員」、「食育推進会議」等、内閣府、厚生労働省、文部科学省、農林水産省などの委員を務めておられます。さらに、日本臨床栄養学会理事や 日本健康栄養システム学会理事など多くの学会の役員を併任されています。著書・テレビ出演なども多数なされており、名実共に日本の栄養学の第一人者として ご活躍されています。

寺本 房子 てらもと ふさこ(第7期生)

 

医学部栄養学科 昭和49年3月卒業

川崎医療福祉大学医療技術学部 臨床栄養学科 特任教授

 

(略歴)

昭和49年 徳島大学医学部栄養学科卒業

昭和49年 川崎医科大学附属病院栄養給食部 管理栄養士

昭和58年 川崎医療短期大学栄養科 講師(併任)

昭和59年 川崎医科大学附属病院栄養給食部 主任栄養士(併任)

平成元年  川崎医療短期大学栄養科 助教授

              平成3年  川崎医療福祉大学医療技術学部臨床栄養学科 助教授

              平成15年 川崎医療福祉大学医療技術学部臨床栄養学科 教授

 

 寺本房子氏は、昭和49年に医学部栄養学科を卒業され(7期)、川崎医科大学付属病院栄養給食部で管理栄養士としてキャリアをスタートされました。学生時代にこれからの医療のあり方として話題となっていた「チーム医療」に憧れて、川崎医科大学附属病院を選択されたそうです。しかしながら、現実はそんなに甘いものでなく、管理栄養士という職種は全く存在せず、厨房の中で特別治療食の調理をするのが栄養士の仕事だったそうです。長年に亘って臨床現場と管理栄養士の養成に携わり、日本臨床栄養代謝学会(旧日本静脈経腸栄養学会)などで学術的にも活躍され、また日本栄養士会の理事も歴任されました。

 これまでを振り返って思うこと、そして、今後の管理栄養士の未来を担う若い人たちへのメッセージを送ってくださいました。

 「管理栄養士はヒトを対象とする専門職であることから、専門分野における臨床研究や教育ができる人材の育成が謳われています。臨床研究ができる管理栄養士が必要で、管理栄養士が臨床研究をすることが専門性の向上に繋がるのではないかとの思いがあります。

 ちなみに、AND (栄養と食事のアカデミー、旧アメリカ栄養士会)は、CKD(慢性腎臓病)の食事療法を提案しておりますが、我が国では主に医師がそれを参考に食事療法の指針を作成しています。また、3、40年前と比較して、管理栄養士の病棟での専門性が高まったようなことを耳にしますが、それは医療全体がチームで取り組む体制が進んできたからで、必ずしも管理栄養士のベッドサイドでの実力が高まったわけではないと感じています。医療に携わる他の職種の専門性の発展と比較すると、今一度、養成のあり方からの検討も問われるのではないかと感じています。種々の事柄を提案するには、エビデンスが問われます。そのため、栄養学を基にした研究が重要です。現在、様々な疾患の治療ガイドラインが出版されており、食事療法に関しての推奨レベルは高いですが、必ずしもエビデンスレベルが高いとは言えません。大学院を修了して臨床で活躍することも選択肢の一つと考えていただき、これからは、研究スキルを身に付け臨床研究ができる管理栄養士が多く生まれることを期待しています。臨床現場と管理栄養士養成に携わり、取り止めもない雑感を書かせていただきました。振り返りの機会をいただきました津田とみ栄友会会長へお礼申し上げます。」

 寺本氏は、今後もご自身の益々のご活躍とともに、専門性を有する将来の管理栄養士の人材育成に大きく期待されています。 

川野 因  (かわの ゆかり(第10期生)

 

徳島大学医学部栄養学科 昭和52年3月卒業

東京農業大学応用生物科学部栄養科学科 教授 

昭和女子大学 客員教授

 

(略歴)

昭和52年3月  徳島大学医学部栄養学科 卒業 

昭和57年3月  徳島大学大学院栄養学研究科博士後期課程 修了

昭和57年4月  愛媛大学医学部 学部内講師 (生化学第2教室)

平成7年4月   日本女子体育大学 講師

平成11年4月  日本女子体育大学 助教授

平成15年4月  東京農業大学応用生物科学部栄養科学科 教授 (現在に至る)

平成20年4月  昭和女子大学 客員教授 (現在に至る)

 

                (受賞)

              (公財)日本栄養士会 功労賞 平成29年8月

              (公財)全国栄養士養成施設協会 会長表彰 平成30年11月

              (一般)日本食育学会 功労賞 令和元年6月

 

川野因氏は、昭和52年に徳島大学医学部栄養学科を卒業され(10期)、昭和57年に同大学院栄養学研究科博士課程を修了されました。その後、愛媛大学医学部の学部内講師として着任され、平成7年には日本女子体育大学で講師、そして助教授を経て、平成15年からは現職である東京農業大学応用生物科学部栄養科学科の教授に就任されております。現在の東京農業大学では管理栄養士養成に携わり、栄養士の資格を持った卒業生を300名余り、修士や博士の学位を持った栄養学を志す後輩も数多く輩出されました。また、(公財)日本栄養士会の機関誌の編集、平成17年制定の食育基本法の趣旨の日常生活への展開、そして、食育の科学的根拠づくりのためのプラットホームとして(一社)日本食育学会の事務局長を14年間、学会設立時からその運営にご尽力されております。そして、この間の徳島大学の多くの先輩や後輩によるサポートに対しては、感謝の意を示されています。 

 

川野因氏に徳島大学での思い出を伺ったところ、「私自身の主な研究テーマは徳島大学で学んだ基礎科学「肥満の発現機序」を活かした、ヒトの生涯に亘る健康づくりのための運動(スポーツ)と食事の関わりです。徳島大学時代は、栄養学科の創設時の多くの先生方が在籍中で『栄養学とは何か』の基礎と、食品化学や給食の運営までをもご教授いただき、中でも医者の栄養学ではなく『君らが栄養学を作るんだ』と叩き込まれたことを思い出します。大学院時代は徳島大学独自の総合研究施設(当時)の総研・電子顕微鏡室を利用させていただき、現代版・形態機能学(病理学と生化学の技術と知識の融合)を学び、このことが今の私の研究マインドを育ててくれたと思います。しかし、言い訳ですが、ヒトの介入研究は難しく、生活場面での栄養科学の根拠作りは十分な成果を挙げられませんでした。今後は最新のAI技術と情報の利活用でヒトの栄養課題が解決されることを願っています。徳島大学は今年、創立70周年の記念の年を迎えると伺いました。卒業生の一人として後輩の皆様にはまず、ご自身の健康づくりをお願いしたいです。その上で、これからの栄養科学の益々の発展を託して心からのエールを贈りたいと考えています。」と、おっしゃっていました。

南 久則   みなみ ひさのり (11期)

 

医学部栄養学科 昭和53年3月卒業

熊本県立大学環境共生学部食健康科学科 教授

公益社団法人 熊本県栄養士会会長

 

【略歴】

昭和53年3月 徳島大学医学部栄養学科卒業

昭和55年3月 徳島大学大学院栄養学研究科修士課程修了

昭和55年4月 徳島大学医学部助手(病態栄養学講座)

平成元年5月 米国ピッツバーグ大学医学部臨床栄養部門研究員

        (平成3年5月まで)

平成5年 7月 徳島大学医学部講師(病態栄養学講座)

平成6年 4月 大阪府立看護大学医療技術短期大学部助教授

               平成12年4月 熊本県立大学環境共生学部助教授

               平成17年4月 熊本県立大学環境共生学部教授

 

 南久則氏は、昭和53年に徳島大学医学部栄養学科を卒業し、昭和55年に同大学院栄養学研究科修士課程を修了した。その後、徳島大学医学部栄養学科(病態栄養学講座)、大阪府立看護大学医療技術短期大学部を経て、平成12年に熊本県立大学に赴任した。その間、米国ピッツバーグ大学医学部臨床栄養部門でペプチド栄養の研究に従事した。 

  現在は管理栄養士養成施設での教育とともに、食物アレルゲンの腸管通過機構や腸管免疫と腸内細菌などの研究を行っている。慢性閉塞性肺疾患、クローン病、がん、嚥下困難者、認知症などの方々を対象とし栄養・食事とQOL(生活の質)など臨床栄養アセスメントに関する研究も行っている。また、熊本県栄養士会会長として、特定保健指導や地域包括ケアシステムに対応した管理栄養・栄養士の教育プログラム作りに取り組んでいる。

  熊本地震から3年が過ぎましたが、地震時には、様々なご支援、励ましをいただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

松村 晃子 まつむら あきこ (14期)

 

医学部栄養学科 昭和56年3月卒業 

徳島大学病院栄養部 副栄養部長

専門分野:臨床栄養学 給食管理 栄養食事指導

 

(略歴)

昭和56年 徳島大学医学部附属病院 調理係

平成21年 徳島大学病院 栄養管理室 室長

平成23年    〃   栄養部 副栄養部長

 

松村晃子氏は医学部栄養学科を卒業後、旧 徳島大学医学部附属病院調理係(現在の徳島大学病院栄養部)に就職され、患者給食業務を務められました。1999年に、当時としては全国でも希な患者食の提供において毎日3食とも2種類から選べる選択メニューを導入し、オーダー入力によるシステムを整えることに携わられました。さらに、病院栄養士の業務が臨床栄養管理へと方向転換する中、個別および集団の栄養指導を活発に展開し、2002年には全国の先駆けとなる栄養サポートチーム(NST)活動の立ち上げにもご尽力されました。

 現在は、学会や栄養士会活動だけでなく国立大学病院栄養部門会議などで全国の大学病院とのネットワークを広げるなど、栄養士の活躍の場の拡大に日々奮闘されています。また徳島大学医科栄養学科生の病院実習指導や他大学からの実習生も受け入れるとともに、医科栄養学科や研究科との共同研究にも指導力を発揮されています。

 大学病院における栄養管理業務がこのように急激に変遷する時代を開拓し先陣を切ってこられた松村先生のご活躍は栄友会の次の世代からは尊敬と関心の的です。その原動力についてこの機会にお尋ねいたしましたところ、「私自身は仕事と家庭を両立させたいという目標を持ち、就職後3年目で結婚、2人の子育てをしながら業務に励みました。今のワークライフバランスとはほど遠いですが、家庭の充実にも時間を惜しまず、学会・研究会・栄養士会活動にもできるだけ参加し、微力ながら時代に乗り遅れないよう努力しました。明るく、朗らかに人とのコミュニケーションを大切に過ごすことで、職場の上司や同僚、栄養学科の先生方や先輩および同級生、後輩の多くの皆様と接することで、私のモチベーションを維持できたのだと思い感謝の気持ちで一杯です。」とおっしゃっておられます。

 今後は、益々のご自身のご活躍とともに各病棟、診療科など様々な場所で必要とされる管理栄養士の人材育成についても大きく期待されています。

上西 一弘 (うえにし かずひろ)(17期)

 

医学部栄養学科 昭和59年3月卒業

女子栄養大学教授

専門分野:栄養生理学、骨ミネラル代謝

 

(略歴)

昭和59年 医学部栄養学科卒業

昭和61年 大学院栄養学研究科修士課程修了

昭和62年 雪印乳業株式会社生物科学研究所

平成3年 女子栄養大学助手

平成12年 女子栄養大学専任講師

             平成14年 女子栄養大学助教授

             平成18年 女子栄養大学教授

 

上西一弘氏は、昭和59年に徳島大学医学部栄養学科を卒業し、昭和61年に同大学院栄養学研究科修士課程を修了された後、雪印乳業株式会社に入社されました。その後、平成3年より女子栄養大学に移られ、栄養生理学の教育・研究に携わっておられます。雪印乳業時代から現在まで、一貫して骨ミネラル代謝の栄養学、特にカルシウム摂取と骨粗鬆症の研究に取り組んで来られ、日本のミネラル栄養学の第一人者としてご活躍されておられます。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」の策定ワーキングメンバー、日本骨粗鬆症学会の「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」の策定委員としても精力的に活動されておられます。最近では、NHKの「ここが聞きたい名医にQ」という番組で専門家として度々ご出演されるなど、多方面でご活躍されておられます。また、スポーツ選手の栄養サポートも行っており、東洋大学の箱根駅伝優勝にも貢献しています。

 

吉本 弥生 (よしもと やよい)(17期)

 

医学部栄養学科 昭和59年3月卒業

花王株式会社 ヘルスケア食品研究所・主任研究員

専門分野:機能性食品

 

(略歴)

昭和59年 医学部栄養学科卒業

昭和59 年 ユニチカ三幸株式会社入社

昭和63 年 関西ランチ株式会社入社

                                  平成元年 花王株式会社入社

                                  平成13年より現職

 

今回は、企業における管理栄養士として意欲的に活躍範囲の拡大に貢献している吉本弥生氏(17期)に 登場願いました。吉本弥生氏は、昭和59年に徳島大学医学部栄養学科を卒業された後、冷凍食品会社などでの商品開発を経験し、平成元年花王株式会社に入社されました。入社後は、食品事業部、近畿地区マーケティング部を経て平成13年より現職。エビデンスに基づく食品の機能性に関する情報を社内外に提供、食品成分の持つ健康機能の認知普及に携わってこられました。また、近年では、食品に関するリスクコミュニケーションなどにも取り組んでおられます。これらの活動は、多方面で取り上げられており、最近では専門誌「臨床栄養」平成24年9月号に、社内や学会にて管理栄養士の視点から専門家に対してエビデンスに基づいた様々な情報提供活動を行っていることが紹介されています。平成24年度からは、日本栄養士会の全国研究教育栄養士協議会役員としてもご活躍されておられます。

青山 敏明 (あおやま としあき)(18期)

 

医学部栄養学科 昭和603月卒業

日清オイリオグループ株式会社 

執行役員 商品開発室、品質保証室、知的財産管理室担当

 

(略歴)

昭和603月 医学部栄養学科卒業

昭和614月 不二製油株式会社

平成136月 米国マサチューセッツローウェル大学研究員(留学)

                     平成141月 日清製油株式会社 研究所リーダー

                     平成187月 日清オイリオ株式会社 執行役員 横須賀事業場長

                                 兼 中央研究所長

                     平成237月 日清オイリオグループ株式会社 執行役員 商品開発室、

                                  品質保証室、知的財産管理室担当

 

青山敏明氏は、昭和60年に徳島大学医学部栄養学科を卒業し、翌年、不二製油株式会社に入社されました。入社後、大豆ペプチドなどの商品開発や油脂の栄養研究に携わりご活躍されてきました。その後、米国マサチューセッツローウェル大学での留学を経て、平成14年より日清製油株式会社(現日清オイリオグループ株式会社)に移られ、構造油脂化学分野におけるリーダーおよびマネージャーとしてご活躍されてきました。この間、一貫して機能性油脂の開発に取り組み、同社の代表的な商品の1つである「ヘルシーリセッタ」の開発・商品化に携わってこられました。平成18年からは、同社の執行役員、中央研究所長として新商品の研究・開発を推進されておられます。また、平成9年には九州大学より農学博士の学位を取得されています。現在は、同社の商品開発室、品質保証室、知的財産管理室の担当役員としてご活躍される傍ら、徳島大学医学部非常勤講師、帯広畜産大学産学官連携教授、鹿児島大学農学部客員教授、岡山県立大学地域共同研究機構客員教授、宮崎大学産官学連携センター客員教授等も務められ、産学連携の推進にもご尽力されておられます 

増田 泰伸   ますだ やすのぶ (19期)

 

医学部栄養学科 昭和61年3月卒業

キユーピー株式会社 研究開発本部 技術ソリューション研究所 評価・解析研究部 部長

 

【略歴】

昭和61年  徳島大学医学部栄養学科卒業

昭和63年  徳島大学大学院栄養学研究科修士課程修了

昭和63年  キユーピー株式会社入社

平成24年 キユーピー株式会社 研究開発本部 技術研究所 健康栄養研究部 部長

平成30年 キユーピー株式会社 研究開発本部 技術ソリューション研究所 評価・解析研究部 部長

平成元年~平成8年 高知医科大学 研究生

平成10年 高知医科大学で学位取得 博士(医学)

平成21年~ 徳島大学医学部 非常勤講師

平成30年~(公社)日本栄養・食糧学会 監事

平成23年  消費者庁「食品の機能性評価モデル事業」機能性評価専門チーム 

       ヒアルロン酸チームリーダー

       現在の機能性表示食品制度につながっている

 

 増田泰伸氏は、昭和61年に徳島大学医学部栄養学科を卒業され(19期)、昭和63年に同大学院栄養学研究科修士課程を修了されました。その後、キユーピー株式会社へ入社され、同社が日本で生産される鶏卵の約10%を扱っていることから、卵に含まれるリン脂質の神経行動薬理研究・商品開発や卵殻の骨への影響に関する研究開発など、卵の有用成分に着目した健康・栄養機能の研究開発に従事されました。特に、卵に含まれるコレステロールの研究やその正しい認知啓発、そしてアレルギーについては厚生労働科学研究の免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業の海老澤元宏先生(国立病院機構相模原病院臨床研究センター)に協力し、「食物アレルギーの診療の手引き 2005」を作成につなげ、食物アレルギー患者さんの生活の質の向上にご尽力されました。

 また、同社の主要カテゴリーであるマヨネーズの特定保健用食品「キユーピー ディフェ」や機能性表示食品「キユーピーアマニ油マヨネーズ」などの商品化にも携わられました。

 最近では、十文字学園女子大学院の山本茂先生(栄養学科第1期)と共同企画のもと、ベトナムのハノイ国立栄養研究所との共同研究により卵殻カルシウムが骨量を増加させる効果を実証し、その成果は英文誌に掲載されました(S.Sakai, Y.Masuda et al. J Nutr Sci Vitaminol, vol.63, 2017年4月発行)。このように卵殻の持つ新たな価値に着目し、卵殻カルシウムの価値を国内だけでなく海外にまでビジネス展開し提供する取り組みなど幅広くご活躍されています。 

笠 章子 (りゅう あきこ)(19期)

医学部栄養学科 昭和61年卒業
大塚製薬株式会社 常務執行役員マーケティング本部長

 

昭和61年 医学部栄養学科卒業
昭和61年 大塚製薬
平成8年 J. Walter Thompson株式会社 日本リーバ担当アカウントディレクター
平成8年 マスターフーズジャパン株式会社 キャットフード担当ブランドマネージャー
平成12年 ブルーベルジャパン株式会社 化粧品事業部本部長
平成17年 大塚製薬株式会社 ヘルスケア事業部顧問
平成17年 日本みらいキャピタル M&Aアドバイザー
平成17年 シスレージャパン 代表取締役
平成21年 大塚製薬株式会社 常務執行役員マーケティング本部長

 

笠章子氏は、昭和61年に徳島大学医学部栄養学科を卒業し、大塚製薬株式会社に入社されました。入社後、ファイブミニ、C-MAXアイアン、ファー マバイト、ビーンスターク、エネルゲン、ポカリスエットなどの商品開発に携わり、これらの商品のブランドマネージャーとしてご活躍されてきました。その 後、J.Walter Thompson株式会社、マスターフーズジャパンを経て、ブルーベルジャパン株式会社に移られ、平成12年には香水・化粧品事業部マーケティングチーム 次長、平成12年同部長、平成14年同本部長、平成15年には化粧品事業部本部長を務められました。平成17年からは大塚製薬株式会社ヘルスケア事業部顧 問、日本みらいキャピタルM&Aアドバイザーを経てシスレジャパン代表取締役を務められるなど、笠氏の美容健康関連事業における商品開発・マーケ ティング能力の高さは国際的にも評価されています。平成21年からは、大塚製薬株式会社常務執行役員マーケティング本部長としてご活躍されています。その 独自の生活スタイルは、マスコミにも取り上げられ、今、最も注目される卒業生です。

 

主な著書:「ただいま育児休業中」(主婦の友社) 、「ドラえもんの鉄学」(日刊工業社)共著 、「おいしくて元気になるお取り寄せ」(法研出版)

卜部 吉恵 (うらべ よしえ)19期)

医学部栄養学科 昭和613月卒業

日本料理 「和旬 撫子」オーナーシェフ

 

(略歴)

昭和61年 徳島大学 医学部栄養学科卒業 

昭和61年 フジッコ株式会社入社  開発センター技術開発部  

平成元年 帝塚山病院 入職

平成4年 (())トゥビィー倶楽部 設立

 同年   撫子      開店 

平成17年  撫子 2号店  開店

平成19年  いなり家 こんこん 開店

      現在に至る

(主な活動歴)

平成7年    フジテレビ「料理の鉄人」 出演   

7年~12年 朝日放送 「ワイドABCでーす」 (毎週月曜日) 

             8年     テレビ東京「TVチャンピオン」 出演

             8年~ 10年朝日新聞 料理コラム連載

             12年~17年  辻ウエルネス   非常勤料理講師

             18年~    キッチンソムリエ 料理講師

             19年~    甲子園短期大学 非常勤講師

             24年~   毎日放送「ちちんプイプイ」キッチンぷいぷいコーナー

                   (隔週金曜日)

 卜部氏は、昭和613月に徳島大学医学部栄養学科卒業後、フジッコ株式会社に入社され、お漬物・スープ・チルド商品などの開発を担当されました。特に、スープはレトルト製品として全国販売となり、ビーカーからの開発が工場生産になる過程の苦労と全国に流通される喜びを感じ、大きな良い経験となったそうです。その後、管理栄養士としての活動を目指し、老人医療の帝塚山病院に入職し、管理栄養士としての臨床経験を研鑽されています。その中で、大阪で開催された[花と緑の博覧会]にて修業食の研究発表する機会があり、日本の伝統食の素晴らしさをもう一度再認識したいと思い、自分で栄養と和食を備えたお店をしたいと思うようになったそうです。

 一念発起し、経営と料理を学べる学校に通い、現在の「撫子」を開店されました。日本料理の素晴らしさと伝統食の栄養バランスの素晴らしさ、女性だけで家庭的な雰囲気を味わって頂けるようなお店づくりを心がけているそうです。卜部氏の管理栄養士から料理の道への転身は、当時のマスコミで話題となり、色々なメディアで取り上げられています。卜部氏は、これまでの活動の中で“栄養士も料理ができることが大切であること”を感じられ、それを伝えるべく、現在も3店の運営をする傍ら、非常勤講師やテレビ番組への出演など幅広く活躍されています。「栄養とおいしさと商売はトライアングルで三方向に分かれていますが、いつかピラミッドのように三者が交われるような頂点を目指していきたいと思います。」と将来について語っておられます。

金 智蓮(きん ちりょん)(20期)

 

医学部栄養学科 昭和62年3月卒業

株式会社ファーマフーズ バイオメディカル部

アプロサイエンスグループ所属

 

【略歴】

昭和62年    徳島大学医学部栄養学科卒業

平成元年    徳島大学大学院栄養学研究科修士課程修了

平成元年     大塚化学株式会社入社

平成3年    大塚化学株式会社退社 

平成13年  株式会社アプロサイエンス入社

                   (令和元年株式会社アンテグラルに社名変更)

               令和4年   株式会社ファーマフーズ入社

                   (アンテグラルとファーマフーズの吸収合併による)

 

 金氏は、昭和62年に徳島大学医学部栄養学科を卒業、平成元年に同大学大学院栄養学研究科修士課程を修了されました。同年に大塚化学株式会社に入社され、天然物由来の新規素材の開発に携わり、京都大学と共同で卵白由来の機能性素材の研究をされました。大塚化学退社後は米国・カリフォルニアへ語学留学され、帰国後は派遣社員として製薬企業や大学等で主に分析や研究開発に従事されました。その後、平成13年に株式会社アプロサイエンスに入社され、そこでは受託サービスや研究用試薬の開発・販売など研究支援という形でサイエンスに関わることを体験し、視野が広がったそうです。実際、受託サービスの問い合わせ対応をする中で、利用者の研究背景や実験の目的を把握した上で提案する難しさは、やればやるほどその奥深さを実感されたそうです。現職場で嬉しかったことをお尋ねいたしましたところ、「学生時代の恩師や先輩、後輩方からの問い合わせは特に嬉しいですが、ご依頼いただいた内容が研究の加速に繋がったとの声をいただくと、嬉しい反面身が引き締まる思いです。研究をミスリードしないように正確な情報を提供することは難しいですが、研究の一助になっていると思うとやりがいも感じています。」と、おっしゃっておられます。

最後に、「学生時代は遊んでばかりでしたが、その時かわいがっていただいた時期があるからこそ先生先輩方とは時間を飛び越してすぐに話ができますし、プラプラと遊んでいた時期の経験が問い合わせの対応に活きてくることもあります。長らく生きてきましたが、どんな経験も無駄なものはないんだなと感じています。学生の皆さんは将来不安になることも多々あると思いますが、今は回り道のようでも必ず自分の身になっていると思って今を大切に過ごしてください。」と、在学生や後輩へのメッセージをいただきました。

黒川 有美子 くろかわ ゆみこ (20期)

 

医学部栄養学科 昭和62年3月卒業

高松赤十字病院 栄養課栄養指導係長

専門分野:臨床栄養分野

 

(略歴)

昭和62年   医学部栄養学科卒業 高松赤十字病院 入社 

平成元~2年  高松短期大学保育科小児栄養実習非常勤講師

平成2~12年 高松赤十字病院附属看護専門学校栄養学非常勤講師

平成10年    高松赤十字病院栄養課栄養係長

平成15~21年 香川県栄養士会病院栄養士協議会糖尿病指導者研究会代表

平成17年  香川県立保健医療短期大学臨床検査学科非常勤講師

                      高松赤十字病院栄養課栄養指導係長

               平成21~23年ノートルダム清心女子大学人間生活学部食品栄養学科特別講師

               平成22年~ 徳島文理大学香川薬学部臨床栄養学特別講師

               平成22~23年 (社)香川県栄養士会病院栄養士協議会会長

               平成24~25年(公社)香川県栄養士会医療部部長 (名称改正)

               平成26年~ (公社)日本栄養士会医療事業部企画運営委員

 

黒川有美子氏は、昭和62年に徳島大学医学部栄養学科を卒業された後、高松赤十字病院に入社し『食は生命を律す』を具現化すべく管理栄養士として患者のQOL(生活の質)に配慮した食事の提供に取り組まれています。家庭の雰囲気の食事にすべく強化磁器食器を導入するため厨房設計から取り組み、厚生大臣表彰を受賞されています。また、普通の食品と見た目は同じでも舌で簡単に押しつぶせるほど柔らかい酵素含浸法食品をいち早く病院食に導入し、咀嚼力が低下した患者に対して食のバリアフリーを実現されています。平成26年にはその模様が世界約130か国1億5千万世帯で放映されるNHKワールドTV『Science View』で紹介されました。PENSA(アジア静脈経腸栄養学会)でも人としての尊厳と「和食」という文化を重んじる栄養治療として報告されています。栄友会活動では香川支部の活発な活動の原動力となっておられ、現在は日本栄養士会医療事業部役員としてもご活躍されています。数多くのご講演はいつも盛況で、患者会、研修会だけでなく、管理栄養士をめざす学部生や大学院生の憧れの存在として熱いメッセージを贈り続けておられます。

岡田 悟 おかだ さとる (22期)

 

医学部栄養学科 平成元年3月卒業

ネスレ日本株式会社

ネスレ ヘルスサイエンス カンパニー

事業開発部

 

(略歴)

平成元年3月 医学部栄養学科卒業

平成3年3月 大学院栄養学研究科博士前期課程修了

平成3年4月 ダイナボット株式会社入社(現アボットジャパン(株))

       MRとしてスタート

      プロダクトマネージャーとして栄養剤、流動食、PEGキットなど担当 

平成14年2月 ネスレ日本株式会社入社

       現ネスレヘルスサイエンスカンパニー事業開発部 部長

  

岡田悟氏は、平成元年3月に徳島大学医学部栄養学科を卒業し、平成2年3月に同大学院栄養学研究科博士前期課程を修了された後、ダイナボット株式会社に入社されました。入社後、MRとして医薬品の営業を7年間担当した後、プロダクトマネージャーとしてエンシュアリキッド、グルセルナ、PEGキットのマーケティングを担当するとともに、TNTプログラムの日本への導入プロジェクトも担当しました。TNTプログラムは多くの医療現場での栄養管理室の教育プログラムとして生かされています。現在は、ネスレヘルスサイエンスカンパニーの事業開発部において、高齢者の栄養管理プログラムの開発とともに在宅における栄養補助食品の新しいチャンネル開発に取り組んでおられます。総合食品会社のリーディングカンパニーにおいて、グローバルにご活躍されておられます。

栢下 淳子 かやした あつこ (23期)

 

医学部栄養学科 平成2年3月卒業

徳島赤十字病院 栄養課課長

専門分野:管理栄養士

 

(略歴)

平成 2年3月 医学部栄養学科卒業

平成2年4 月 小松島赤十字病院(現徳島赤十字病院)入社

平成16年4月 徳島大学大学院栄養生命科学教育部博士後期課程入学

平成20年4月 徳島赤十字病院 栄養課課長

平成25年3月 博士(栄養学)(徳島大学)学位取得 

 

栢下淳子氏は、平成2年に徳島大学医学部栄養学科を卒業された後、小松島赤十字病院(現徳島赤十字病院)に入社されました。地域の基幹病院の管理栄養士として研鑽を積まれてきました。外来や入院患者の栄養管理の向上に取り組み、学会発表や学会誌に多くの成果を発表されてきました。平成16年からは、大学院に進学され、平成25年3月には、徳島大学より博士(栄養学)の学位が授与されています。また、入院患者の食事の改善に取り組まれ、食べたい時に食べたいものが提供できるように独自の給食システムの構築に力を注いでいられます。院外活動としては、地元の商工会議所および市民と共同して地域食材を活用したオリジナルのお菓子(商法登録済)を開発し、病院食にも提供しています。さらに、平成24年4月からは、「ホスピタルカフェ」の運営を始め、入院患者だけでなく、地域住民の健康増進にも貢献する取り組みとして注目されています。最近では、嚥下障害患者さんが安心して、しかもおいしく食事をとれるように、栄養課がレシピの企画・作成を担当した嚥下調整食の本「嚥下食ピラミッドによるペースト・ムース食レシピ230」を出版されました。

新居 佳孝(にい よしたか) (第23期生) 

 

医学部栄養学科 平成2年3月卒業

徳島県立工業技術センター食品・応用生物担当 課長

 

(略歴) 

平成2年  徳島大学医学部栄養学科卒業

平成4年  徳島大学大学院栄養学研究科博士前期課程修了

平成4年  徳島県立工業技術センター研究員

平成13年 徳島県立工業技術センター主任研究員

平成24年 徳島県立工業技術センター専門研究員

平成27年 徳島県立工業技術センター上席研究員

令和3年  徳島県立工業技術センター課長(食品・応用生物担当)

(受賞) 

平成25年 徳島県職員表彰(知事表彰)

平成29年 日本栄養士会長表彰

平成30年 全国食品関係試験研究場所長会 優良研究・指導業績表彰

 

 新居佳孝氏は、平成2年に徳島大学医学部栄養学科を卒業、平成4年に同大学院栄養学研究科博士前期課程を修了され、同年には徳島県立工業技術センターに着任されました。地場産業を支える中小企業の振興を目的として設置されている県立のセンターで、食品・応用生物担当のリーダーとして主に穀類加工品(菓子類・麺類)の試験研究や依頼分析に従事されています。技術相談には、加工食品の衛生管理に関することのほか、機能性成分、製品開発等に関することなど様々な相談が数多く寄せられるそうです。単なる分析機関ではなく、相談・指導機関であることを常に心掛けられ、基本的な事柄についての説明にプラスして製造方法の改善などの提案もされるそうです。

 工業技術センターに勤務されて数年後から、「スダチやレモンなどの柑橘果汁によるしらす干しのカルシウム吸収率への影響」の研究を始められ、しらす干しをスダチ果汁に漬けると短時間で大部分のカルシウムが果汁中に移行することを発見されました。さらに、本学での動物実験の結果、スダチ果汁がしらす干しのカルシウム吸収率を上昇させることを明らかにし、この一連の研究結果を論文にまとめ、本学の博士号(栄養学)を取得されました。

 また、平成21年度からは、糖尿病対策事業に従事され、本学の酒井徹教授(23期生)と共にスダチ果皮特有のポリフェノールであるスダチチンに抗肥満効果があることを明らかにしています。さらに、県内の医薬品製造企業と共同でスダチチン含量を高めたスダチ果皮エキス末の開発に取り組まれ、特許も取得されました。現在は、スダチ果皮エキス末を素材とする機能性表示食品の開発にご尽力されております。

 この度お話を伺った際にこれまでを振り返って、徳島大学の先生方に様々なご支援をいただいてきたことに深く感謝していますとおっしゃられていました。と同時に、栄友会の若い世代にとっては近くにいて折に触れご助言等いただける先輩であり、皆から大変慕われているOBでもあります。今後も産学連携により地域に密着したテーマに取り組まれ、更なるご活躍が期待されています。

 

三谷 康正 みたに やすまさ (27期)

 

医学部栄養学科 平成6年3月卒業

株式会社ダナフォーム 代表取締役社長

 

(略歴)

平成6年3月 医学部栄養学科卒業

平成8年3月 大学院栄養学研究科博士前期課程修了

平成8年4月 湧永製薬株式会社入社

平成18年3月 湧永製薬株式会社退社

平成18年4月 株式会社ダナフォーム入社

              平成21年5月  株式会社ダナフォーム 第二事業部 事業部長

                                     平成21年5月 株式会社ダナフォーム代表取締役社長

 

三谷康正氏は、平成6年3月に徳島大学医学部栄養学科を卒業し、平成8年4月に同大学院栄養学研究科博士前期課程を修了された後、湧永製薬株式会社に入社されました。入社後、DNA診断薬の開発に取り組んできましたが、その一貫で平成14年より理化学研究所GSC遺伝子構造・機能研究グループの林崎プロジェクトディレクターの研究室へ国内留学し、PCR法とは異なりSmartAmp法と呼ばれる画期的な等温遺伝子増幅法の国産技術開発に成功しました。その成果はNature Methodsに掲載され高く評価されています。

 

この技術をもとにバイオベンチャー企業である株式会社ダナフォームに加わり、平成24 年からは、代表取締役社長としてご活躍されております。現在では、SmartAmp法を用いた各種DNA診断薬を販売に加えて、新規蛍光プローブの販売、cDNAライブラリーの受託作製、遺伝子発現解析受託サービスなど各種分子生物学研究の受託サービスなど幅広く展開しており、日本におけるバイオベンチャー企業の成功例として注目されています。

柳沢 香絵 やなぎさわ かえ (27期)

 

医学部栄養学科 平成6年3月卒業

相模女子大学 栄養科学部 健康栄養学科 准教授

専門分野:スポーツ栄養学、運動栄養学

 

(略歴)

平成6年 医学部栄養学科卒業

平成8年 日本女子体育大学大学院スポーツ科学研究科 修了

平成8年 大塚製薬株式会社入社 佐賀研究所(現佐賀栄養製品研究所)

平成14年 国立スポーツ科学センター

平成18年 聖徳大学 

平成23年 相模女子大学

平成24年 お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科 博士後期課程修了

               平成26年より現職

 

柳沢香絵氏(27期)は、平成6年に徳島大学医学部栄養学科を卒業された後、かねてより関心のあったスポーツ栄養学の道を志し、体育系大学大学院およびお茶の水女子大学大学院にて運動生理学や運動栄養学について学ばれた後、大塚製薬株式会社にて運動時の栄養補助食品の開発に従事されていました。その後、スポーツ選手の栄養管理の現場で活躍すべく、国立スポーツ科学センターに活躍の場を移し、スキーやスケートなどおもに冬季競技種目の選手の栄養管理に取り組んでこられました。平成22年には「日本スポーツ栄養研究会・スポーツ栄養士グループ」として第13回秩父宮記念スポーツ医・科学賞奨励賞受賞し、平成23年には千葉県栄養士会会長表彰を受賞されました。昨年のソチオリンピックには日本選手団の選手村外サポート拠点マルチサポート•ハウスのリカバリーミール責任者を務め、選手の食事や補食を提供しました。現在は、相模女子大学で管理栄養士の教育に携わるほか、NPO法人日本スポーツ栄養学会の理事や(公財)日本スケート連盟科学スタッフ(管理栄養士)、東京都競技力向上推進本部強化部会 育成プログラムワーキンググループ委員などを務められ、スポーツ栄養の発展に貢献されています。

高島 美和(たかしま みわ)(第28期生)

 

医学部栄養学科 平成7年3月卒業

長崎大学病院栄養管理室 室長

 

(学歴)

平成7年  徳島大学医学部栄養学科卒業

平成10年  徳島大学大学院栄養学研究科博士前期課程修了

平成16年  徳島大学大学院医学研究科博士課程単位取得退学

平成27年  徳島大学大学院医学研究科博士課程修了

 

(職歴)

平成10年  徳島大学医学部 助手

平成12年  長崎大学医学部附属病院(現 長崎大学病院)

医事課栄養管理室 栄養士

             平成18年  同病院 栄養管理室 主任栄養士

             平成23年  同病院 栄養管理室 副室長

             平成30年  同病院 栄養管理室 室長

 

             (資格)

             平成19年  日本病態栄養学会病態栄養認定管理栄養士

 

 高島美和氏は、平成7年に徳島大学医学部栄養学科を卒業、平成10年に同大学院栄養学研究科修士課程を修了されました。同年に徳島大学医学部に助手として着任され、感染症のマラリアの原因となるマラリア原虫の病原性発現機構と感染宿主の防御機構の研究に従事されました。平成12年に長崎大学医学部附属病院(現 長崎大学病院)医事課栄養管理室に栄養士として着任された後、主任栄養士、副室長を経て、平成30年には現職である長崎大学病院栄養管理室の室長に就任されました。日本アレルギー学会、日本糖尿病・妊娠学会、日本糖尿病学会、日本病態栄養学会などの学会にも所属され、特に、平成21年からは日本病態栄養学会の学術評議員としてご尽力されております。また、未だ確立されていない新生児、乳幼児の便中のアレルゲン特異的分泌型IgAの測定法開発に貢献し得る研究結果を論文にまとめ、平成27年に本学の学位(医学)を取得されております。

 今後は、益々のご自身のご活躍とともに、これまでの基礎研究と病院での実務経験を活かして現場の病院で必要とされる管理栄養士の人材育成についても大きく期待されています。 

 

 

花本 美奈子 はなもと みなこ (28期) 

 

医学部栄養学科 平成7年3月卒業 

認定栄養ケア・ステーションLINK 代表

 

(学歴)

平成7年3月    徳島大学医学部栄養学科卒業

平成9年3月    徳島大学院人間自然環境研究科修士課程修了(学術修士)

 

(職歴)

平成9年4月    長崎大学医学部附属病院 栄養管理室 

平成11年9月   東海大学医学部附属病院 栄養科   

平成24年4月   都立総合医療センター栄養科 (非常勤)

平成26年1月   栄養ケアサポートLINKのぼりと 設立 代表

平成27年4月   大妻女子大学非常勤講師

平成30年9月   認定栄養ケア・ステーションLINK(名称変更)代表

 

(資格)

平成7年  管理栄養士    

平成19年 日本糖尿病療養指導士機構 糖尿病療養指導士

平成26年 日本在宅栄養管理学会 在宅訪問管理栄養士

平成30年 日本栄養士会 在宅栄養専門管理栄養士

 

 花本氏は、平成7年に徳島大学医学部栄養学科(28期)を卒業、平成9年に徳島大学院人間自然環境研究科修士課程を修了されました。その後、長崎大学医学部附属病院栄養管理室、東海大学医学部附属病院栄養科、都立総合医療センター栄養科などで管理栄養士としての経験を積まれました。この病院勤務の経験を基に、平成26年に個人事業主として「栄養ケアサポートLINKのぼりと」を設立し、平成30年からは認定栄養ケア・ステーションとして地域の医療機関や事業者と連携して在宅療養者の栄養支援に取り組まれています。高齢者人口がピークを迎える2040年に向けた在宅栄養分野の人材育成は喫緊の課題であり、関連学会活動や研修の運営を通じてできた全国の在宅栄養管理栄養士との繋がりが財産になっているそうです。ちなみに、日本栄養士会ホームページ(https://www.dietitian.or.jp/career/certifiedspecialist/)に在宅栄養専門管理栄養士の活動が掲載されています。

在学中の思い出をお尋ねいたしましたところ、「元々は動物が苦手であったためラットのお世話や解剖が大変でしたが、4年生の夏休みに毎日大学に通って院生の先輩とストレスの種類の違いが餌の選択に影響を与えることを明らかにしたことで、地道な実験の繰り返しが栄養学の基礎になることを学びました。また、友人の誘いでヨット部に入部したことは、社会に出て役に立ったことです。荒天の大波小波のなかで転覆や衝突を回避するためのルール決めなど安全を確保するには出艇前の準備が大事であること、危険を感じたら速やかに撤退するリスク管理など大切なことを経験できました。また、他学部の先輩後輩との交流で、栄養学科だけではない繋がりや考え方を得ることができました。社会に出て多くのターニングポイントがありますが、やったことがない分野でも機会を頂けたら勇気を出して飛び込むようにしているのはきっとヨット部のおかげかなと思います。」と、おっしゃっておられます。

最後に、在学生や後輩へ向けて『九州から関東への求人をご紹介いただいた際、武田英二教授(旧 病態栄養学講座)から「女性はライフイベントが続いて休む時もあるけれど、仕事を続けていれば本当に必要とされる場所で必ず声が掛かりますよ。少しずつでも続けることです。」とアドバイスをいただきました。本当にその通りで、就職・結婚・出産・育児・介護と変化するライフステージの只中で継続の大切さを実感しています。在校生の皆様も卒後はいろいろな局面に遭遇すると思いますが、変化を恐れずに周囲と協力しながらキャリアを繋げてください。』とのメッセージをいただきました。

叶内 宏明 かのうち ひろあき (30期) 

 

医学部栄養学科 平成9年3月卒業 

鹿児島大学共同獣医学部獣医学科基礎獣医学講座 准教授

鹿児島県栄養士会 会長

 

(略歴)

平成 9年 徳島大学医学部栄養学科卒業

平成11年 徳島大学大学院栄養学研究科博士前期課程修了

平成14年 九州大学大学院生物資源環境科学研究科博士後期課程修了

平成14年 川崎医科大学生化学教室 助手  

平成18年 鹿児島大学農学部獣医学科先端獣医科学分子病態学分野 助教授

平成26年 カナダ グエルフ大学農学部 留学

平成24年~現在 鹿児島大学共同獣医学部獣医学科基礎獣医学講座 准教授

                                            平成24年~現在 鹿児島県栄養士会 会長

 

 叶内宏明氏は、平成9年に徳島大学医学部栄養学科を卒業(30期生)された後、川崎医科大学の生化学研究室での助手を経て、現在は鹿児島大学共同獣医学部で生化学分野の講義を担当されています。正常な細胞分化に必要であるがその本質的な機能が未解明な過塩素酸可溶性たんぱく質の解析、ビタミンB6の抗がん作用の解析など基礎生化学の分野、さらに認知症やロコモティブシンドロームを対象とした、食による疾病予防を探る研究にも取り組み、多数の論文発表をされています。平成26年に日本栄養・食糧学会奨励賞を受賞されています。直近では鹿児島県で生産される黒酢の研究に取り組まれ、黒酢の経口摂取が認知機能の低下を予防することを実験動物で明らかにし、今後の研究展開が期待されています。平成28年には徳島大学藤井節郎記念医科学センターで開催された第49回日本栄養・食糧学会中国・四国支部大会の市民公開講座で講演されるなど、市民向けの講演活動を積極的に行い、管理栄養士の視点から食と疾病予防、さらに研究者の視点で機能性食品について紹介されています。

 

 平成24年からは鹿児島県栄養士会の会長に就任され、鹿児島県民の疾病予防に栄養の面から貢献できるよう、公務・研究活動の合間を縫って尽力されています。

元永 恵子 もとなが けいこ (31期)  

 

医学部栄養学科 平成10年3月卒業 

(独)日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター スポーツ研究部 研究員  

 

(略歴)

平成10年 徳島大学医学部栄養学科卒業

平成12年 徳島大学大学院栄養学研究科博士前期課程修了

平成12年 近畿福祉大学(現神戸医療福祉大学)助手 

平成18年 近畿福祉大学(現神戸医療福祉大学)講師

平成18年 徳島大学大学院栄養学研究科博士後期課程修了 博士(栄養学)

平成22年 国立スポーツ科学センター契約研究員

平成25年~現在 日本パラリンピック委員会医・科学・情報サポート事業スタッフ

               平成27年~現在 国立スポーツ科学センター研究員 

                 平成29年~現在 日本パラリンピック委員会科学委員

 

 元永恵子氏は、平成10年に徳島大学医学部栄養学科を卒業された後(31期生)、介護福祉士養成大学の教員に着任されました。そこでボランティアで障がい者スポーツに関わられ、大学院で行った陸上長距離選手のエネルギー消費量に関する研究成果を生かして、障がい者アスリートの栄養サポートに携わられました。

 平成22年に国立スポーツ科学センターの契約研究員に着任されてからは、オリンピックアスリートの栄養サポートやレスリング選手が試合に向けて行う急速減量後の回復に関する研究を行っておられます。平成27年に研究員となられてからは特にパラリンピック選手のサポートや研究を中心に活動しておられます。ロンドン2012オリンピック、リオデジャネイロ2016パラリンピックでは現地にて栄養サポートを行いました。

 研究では2017年9月に松山市で開催された「第72回日本体力医学会大会」で発表した「二重標識水法による脊髄損傷アスリートの総エネルギー消費量の検討」が、大塚スポーツ医・科学賞 特別賞を受賞されるなど、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けてますますがんばっておられます。

 スポーツ栄養学の研究者としてのご活躍と同時に公認スポーツ栄養士として障がい者アスリートのサポート・研究でのご活躍が期待されています。

北島 幸枝(きたじま ゆきえ)

 

医学部栄養学科 平成103月卒業(第31期生)

東京医療保健大学 医療保健学部医療栄養学科 准教授

Sen Sok International University Hospital (Cambodia)客員教授

医療法人社団麗星会、医療法人財団倉田会えいじんクリニック、

医療法人社団菅沼会   非常勤管理栄養士    

 

(学歴)

平成10年 徳島大学医学部栄養学科卒業

平成23年 徳島大学大学院栄養生命科学教育部人間栄養科学博士後期課程修了

 

(職歴)

平成10年 四国医療サービス株式会社

平成11年 医療法人佐藤循環器科内科栄養科 管理栄養士

平成20年 広島女学院大学 生活科学部管理栄養学科 講師

平成22年  同学科 准教授

平成23年 東京医療保健大学 医療保健学部医療栄養学科 講師

平成27年  同学科 准教授

 

(資格)

平成 10年 管理栄養士    

平成18年 日本病態栄養学会 病態栄養認定管理栄養士

平成30年 日本腎臓病協会 腎臓病療養指導士

 

北島氏は、平成10年に徳島大学医学部栄養学科(31期)を卒業された後、医療法人 佐藤循環器内科栄養科での勤務を経て、広島女学院大学生活科学部管理栄養学科で専任講師として着任されました。平成23年には徳島大学大学院栄養生命科学教育部博士後期課程を修了され、同年9月には現在の東京医療保健大学 医療保健学部医療栄養学科専任講師として着任し、平成27年からは現職の准教授に昇任されました。また、所属されている日本腎栄養代謝研究会では事務局長、日本病態栄養学会と日本栄養改善学会においては評議員としてご尽力されております。また、NPO法人 いつでもどこでも血液浄化インターナショナル(国際NGO の海外技術指導員も務められるなど、幅広くご活躍されております。  

また、東京医療保健大学での仕事の傍ら、非常勤務先の病院患者さんの栄養指導を通して得られた課題を、専門とする慢性腎臓病・末期腎不全の栄養管理の研究に繋げて各個人に合わせた腎臓病の栄養管理の実践を目指されているそうです。また、大学を卒業したばかりの何も知らない自分に様々なことを教えてくださった患者さんへの還元だけでなく、学内教育では分からない管理栄養士としての活動を学生や卒業生に伝えていくことを目指しておられるそうです。

在学中の思い出をお尋ねいたしましたところ、『毎月、生協の図書部で「臨床栄養(医歯薬出版)」と「オレンジページ」の雑誌を買うことが楽しみでしたが、現在はその「臨床栄養」で編集協力者として携わらせていただいており嬉しいです。また在学中に体験したいろいろなアルバイトを通して挨拶と丁寧な対応力を身につけることができたと感じています。患者さんによって話し方等を変えることや、笑顔ある栄養相談ができているのも、徳島での生活があってこそだと思っています。』と、おっしゃっておられます。最後に、在学生や後輩へ向けて「出会いを大切に、たくさん悩んで精一杯向き合い、生きてください。そのためには、時間を上手に使う必要があります。限度や限界があっても、自分のペースで出来ることを考え、向き合うことで成長していくと考えます。そして、何かのときには、徳島大学、先生、同期や先輩・後輩を頼ってください。心強いです。さらなるご活躍を心よりお祈り申し上げます。」とのメッセージをいただきました。

 

梅村(鬼塚)朱美 うめむら おにづか あけみ (39期)  

 

医学部栄養学科 平成18年3月卒業 

宮崎大学医学部附属病院栄養管理部 管理栄養士  

 

(略歴)

平成18年 徳島大学医学部栄養学科卒業

平成20年 徳島大学大学院栄養生命科学教育部博士前期課程修了

平成20~22年 株式会社HALD 管理栄養士 

平成22~24年 青年海外協力隊平成22年度2次隊栄養士隊員(ボツワナ共和国)   

平成24年~ 宮崎大学医学部附属病院栄養管理部

 

 

 

 梅村(鬼塚)朱美氏は、平成18年に徳島大学医学部栄養学科を卒業された後(39期生)、平成20年に同大学大学院栄養生命科学教育部博士前期課程を修了されました。学部・大学院時代には、分子栄養学を専攻され、高カルシウム尿を伴う遺伝性低リン血症性くる病(HHRH)のモデルマウスの解析を精力的に行なわれました。その成果は米国腎臓学会誌等の学術誌に採択され、高く評価され医科栄養学科の研究発展へ結びついています。卒業後、食生活や生活様式が日本とは違う地域で生活することに魅力を感じて、青年海外協力隊(JICA)に応募したとのことです。派遣先のボツワナで平成22年から2年間、病院栄養士として病院給食の衛生管理への助言や、特別食など栄養に関する提案、入院・外来患者及び地域住民への栄養の指導など、現地ならではの活動をされたそうです。限られた食材や日本とは異なる環境に戸惑いながらも、ボツワナの人々の温かさや力強さに触れることができたそうです。現在は、宮崎大学医学部附属病院栄養管理部の管理栄養士として勤務されています。

 

平成28年度栄友会総会(於徳島大学)ではそのような経験についてご講演いただきました。講演会は大変盛況で、将来海外で活躍したいと願う医科栄養学科在校生および大学院生に大きな刺激を与えてくださいました。青年海外協力隊として大切にしてきた「現地の人々とともに」という姿勢を現場でも活かし、「患者さんに寄り添った」医療の提供ができるよう、日々の栄養教育・栄養管理業務にご尽力されています。 

辻 明彦 つじ あきひこ (院9期)

 

徳島大学大学院栄養学研究科修士課程 昭和53年3月修了

徳島大学生物資源産業学部教授 兼 同学部長

専門分野:生化学、酵素化学

 

(略歴)

昭和57年 長崎大学医学部助手   

昭和60年 国立精神神経センター神経研究所流動研究員   

昭和63年 米国ミシガン大学医学部研究員   

平成元年 徳島大学工学部助教授   

平成16年 徳島大学工学部教授

平成28年 徳島大学生物資源産業学部教授 兼 同学部長

 

  今春新設されました徳島大学生物資源産業学部の初代学部長になりました辻明彦教授は、昭和51年に長崎大学水産学部水産学科を卒業された後、徳島大学大学院栄養学研究科に入学し、酵素化学を学ばれ昭和53年栄養学研究科修士課程を修了されました(院9期生)。その後、昭和57年に医学博士(徳島大学)を取得、長崎大学医学部、国立精神神経センター神経研究所および米国ミシガン大学医学部で勤務された後、徳島大学工学部助教授を経て平成16年に同教授に就任されました。ご専門は酵素化学で、細胞増殖分化の制御におけるプロプロテインコンベルターゼの役割、植物プロテアーゼの構造と機能、動物セルラーゼの構造と応用などの研究において数多くの論文発表、著書執筆をされています。日本生物工学会では、理事および西日本支部長も歴任されています。また平成27年には日本蛋白質科学会の第15回年会を、年会長として徳島市にて成功裏に開催しましたことは私たちの記憶にもまだ新しいものです。

 多忙な毎日、バイオテクノロジーを活用した作物、家畜、藻類の品種改良や、植物工場による生産、生物資源の機能食品や創薬への応用研究など幅広い視点からの研究によって新たな産業を創出し、経済の活性化に貢献することが出来る徳島大学発の人材の育成をめざしてますますご活躍のご様子です。

渡邊 浩幸  (わたなべ ひろゆき)(院16期生)

 

徳島大学大学院栄養学研究科 昭和60年3月 修士課程修了 

高知県立大学健康栄養学部健康栄養学科 教授 

産官学研究プロジェクト長

 

(略歴)

昭和58年3月  岩手大学農学部農芸化学科 卒業 

昭和60年3月  徳島大学大学院栄養学研究科 修士課程 修了

昭和60年4月  テルモ株式会社

昭和62年4月  幸和薬品工業株式会社

平成5年3月   岩手大学大学院連合農学研究科 博士課程 修了

平成5年4月   花王株式会社

平成10年8月  株式会社ファンケル

平成11年4月    花王株式会社

平成15年3月    戸板女子短期大学食物栄養科 専任助教授 (平成17年4月より教授)

平成18年10月  高知女子大学生活科学部健康栄養学科(平成23年4月より高知県立大学健康栄養学部健康栄養学科に名称変更) 教授 (現在に至る)

 

(受賞)

平成10年  日本油化学会エディタ賞

平成11年 第42固油脂業界館油脂技術論文 最優秀賞

平成21年 日本油化学会エディタ賞 

 

 渡邊浩幸氏は、昭和60年に徳島大学大学院栄養学研究科修士課程を修了されました(院16期)。その後、テルモ株式会社、幸和薬品工業株式会社を経て、平成5年に岩手大学大学院連合農学研究科博士課程を修了されました。そして、花王株式会社、株式会社ファンケルを経た後、平成15年には戸板女子短期大学食物栄養科の専任助教授 として着任され、平成17年から教授に昇任されました。

 平成18年からは現職である高知女子大学生活科学部健康栄養学科 (現在の高知県立大学健康栄養学部健康栄養学科)の教授として就任されております。渡邊氏は過去に多くの企業での仕事を経験していることから、高知県立大学の産官学研究プロジェクト長も務められ、幅広くご活躍されております。渡邊氏の研究テーマは、食品に含まれる脂質代謝・エネルギー代謝・脳機能に関する機能成分の探索と機能評価で、特に、高脂肪食が誘導する鬱様行動で炎症性サイトカインTNFaが関与すること、発芽玄米由来ステロール配糖体 (PSG) がTNFaの産生を抑制して鬱様行動を改善することを動物実験から明らかにされております。渡邊氏は、ご自身のアミノ酸研究での驚きの発見を基にして海外の研究者がノーベル賞を受賞したことで、丁寧に研究すれば「世界初」は夢ではないことを実感し、現在も「世界初」に拘って研究活動や後進の育成にご尽力されています。また、それらの成果で「IG-1分泌促進剤」「抗癌剤」などの特許も取得されています。

 世界的にご活躍であることから、お住まいの高知県で日本脂質栄養学会第22回大会 (2013年開催)や第52回日本・栄養食糧学会中国・四国支部大会(2019年開催)では大会長を務められるなど、中四国地域での研究者を見守り育成することにも情熱を持たれ、栄友会会員の活躍にも常に激励をいただいています。

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